UUMNディサースリア2例の臨床経過

投稿日時: 2007年09月11日

医療法人慈圭会 八反丸病院    松尾 翼
第1リハビリテーション専門学校  木村 隆
新潟国際医療福祉大学       西尾 正輝

【はじめに】
UUMNディサースリアは比較的発現率の高いタイプだが,国内の臨床経過に関する先行報告例は我々が検索しえたのは菅原ら(2003)および数例のみである。今回,ほぼ同等の経過を示したUUMNディサースリア2例を経験したので報告する。

【症例(1)】
70 歳代女性。平成18年10月発症。医学的診断名は右放線冠のラクナ梗塞。発症後約3週間後当院転院。標準ディサースリア検査(AMSD)を実施。発話明瞭 度は2.5/5。主な聴覚的発話特徴は発話の短い途切れ,声量低下,粗糙性嗄声,構音の歪み,プロソディー障害を認めた。発声発語器官検査では主に中等度 中枢性左顔面神経麻痺を認めた。

【症例(2)】
70歳代男性。平成18年10月。医学的診断名は左脳幹梗塞。発症後約3週間後当 院転院。AMSDを実施。発話明瞭度は2.5/5。主な聴覚的発話特徴は発話の短い途切れ,粗糙性嗄声,気息性嗄声,開鼻声,構音の歪み,プロソディー障 害を認めた。発声発語器官検査では主に軟口蓋挙上不全,中等度中枢性右顔面神経麻痺および右舌下神経麻痺を認めた。

【主要治療プラン】
機能障害:#1顔面の機能回復訓練 #2舌の機能回復訓練 活動制限:#3発話速度の調節訓練 #4構音訓練

【臨床経過と考察】
上 記の訓練を12週間実施した結果,機能障害レベルでは2症例ともに顔面の運動範囲の拡大を認めた。症例?では,舌の筋力低下および鼻咽腔閉鎖機能不全は若 干残存した。活動制限レベルでは,強制的な発話速度調整法のフレージング法を選択し,その後症例?は明瞭度改善に伴い(2/5)リズミックキューイング法 へ移行した。症例?は発話明瞭度の改善は認めたが(2/5),フレージング法を継続した。2症例ともに機能障害レベル(顔面)の改善はほぼ同様に進み,山 川らも約12週間で顔面の運動範囲の拡大を認めたと報告している。以上より,UUMNディサースリア例に対する口腔構音機能訓練の有用性が示唆された。


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